【移住者インタビュー】小野優人さん「妻や娘との時間を大切に~自然豊かな場所での新しい仕事。」
「妻や娘との時間を大切に暮らしたい。そして、自然豊かな場所で、新しい仕事を展開したい。」
小野 優人(おの まさと)さん
Profile
平成30年度、岐阜県大垣市より、奥様とお子さんと移住。飯地町内の古民家に住む。
大学時代を含めて19年間、学習塾講師として数多くの生徒を、様々なニーズに応える形で指導。その他、教育相談会・個人懇談会・カウンセリング等の運営にも携わる。フィリピンにて海外勤務を経験し、グローバル企業のファイナンス・アナリストとして、アジア・欧米各国の企業を担当。
現在、SNS・Skypeを用いたオンライン学習やフィリピンへの語学留学サポート事業も展開中。また、地元の営農組合に所属し、田植えや草刈り作業もする。今後、地域で勉強を教えたり、外国の子どもたちのホームステイ先の場所づくりや、農泊などを考えている。
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「学習塾の仕事」では、将来に関わる大切な時期をともにして、子どもたちの真剣な様子に、こちらも熱くなりました。
―20年近く、学習塾講師として働いてみえたとのこと。塾講師のお仕事はどうでしたか?
やはり、子ども、そして教えるのが好きです。
大学時代に、塾のアルバイトをしたのがきっかけで、すっかり塾の仕事にはまりました。熱くて、面白いなと。
小学生から入った子たちが、中学生になって、高校受験が始まって、その中で、だんだんと将来の話をすることが自然と多くなってきて。その話を聞いて、アドバイスをする中で、その真剣な様子に、こちらも熱くなったり。
夢を追って他県に行く子もいて、たくさんの人生の決断の手助けをさせてもらいました。
塾の夏合宿では、夕方、生徒たちとBBQをしてから、また勉強をしたり、良い思い出です。
子どもたちには、合格する、しない、というよりも、その時大変だったけど、遊ばずに、勉強できた、頑張れたことを思い出してほしいなとおもいます。
何をやっているんだろうと思った。10年以上の夜型の生活からの反動。
ー前職を考え直すきっかけとなったことは?
子どもが生まれたことです。
学習塾の仕事をこれで良いのだろうかと考えるようになりました。
昼過ぎに出勤して、仕事が終って、職場を出るのが夜中の12時で、寝るのは2時~3時ごろ。もし、子どもが大きくなって学校に行きだしたら、子どもと会う時間がないなと。
子どもが好きという気持ちで、塾の仕事をしてきたけど、自分の子どもと一緒に過ごせないのは、話にならないなとおもいました。
子どもと一緒の時間のライフスタイルにしたい、一緒に夕ごはんを食べたいと、シンプルに思いました。
それがきっかけです。
ー田舎に暮らしたいという気持ちはいつから?
大学時代に、行きの飛行機チケットだけ取って、その土地におりて、バックパッカーで旅行をしていました。その中で、どちらかというと、東南アジアの遺跡をみたり、トレッキングをしたり、懐かしい感じの田舎の風景や、古い感じの雰囲気に惹かれました。人も、親しみやすくて、味わいのある人が多いところも好きでした。
同じ岐阜県内ではありますが、自分が住んでいた大垣市は場所にもよりますが町だったので、いつかどこかで、田舎に住みたいという気持ちがあったのかもしれません。
そして、具体的に考え始めたのは、4年間フィリピンでの勤務になった際に、自然を満喫できる場所に住んだことです。
木に登って、マンゴーやバナナを採ったり。娘が産まれたとき、自然に触れて育ったので、日本に帰っても、自然豊かな場所で育てたいと思いました。
見学にきて地域を歩いているときに、地元の子ども園の先生に声をかけてもらってのがきっかけ。
ーどの様にして、「飯地町」を探されましたか?
最初は、旅行がてら長野県の気になる場所にドライブにいったり、インターネットで田舎暮らしのサイトから、四国や鳥取辺りをみたり。
まず、海方面か、山方面かで迷いましたが、妻の出身のフィリピンの実家が山の上にあるところだったので、似たような山の景色の飯地町を、最初からとても気に入っていました。
飯地町のホームページをみたのをきっかけに、特にアポイントは取らずに飯地町にドライブにいってみました。その時、たまたま飯地こども園の辺りを見学で歩いていたら、園長先生が声をかけてくださって、話をすると、「すぐそこに振興事務所があって、移住案内をしてくれてるよ~」。といって担当の方に電話をいれてくれました。
そこで、担当の方とお話しをすると、「今度、地元の子育て世代の人たちの、芋ほりイベントがあるので、良ければきてくださいね」といわれて、参加しましたが、皆さん、優しく接してくださいました。
今後楽しく生活していきたいと思っていたので、町の雰囲気を感じることができてよかったです。芋ほりも和気あいあいとしていて、こういうことを普通にできるのはいいなと思いました。
それで、飯地への移住をきめました。具体的に話をきいたのは、飯地町が初めてでした。
普通に早起きして、汗をかいて仕事をして、きれいな空気をすって、これが人間本来の生活。「最高です。」
ー今の生活はどうですか?
満足です!ライフスタイルとしては、最高です!
朝ふつうに起きることへのあこがれがあったので、そんな単純なことがすごく最高に感じられてありがたい。
そして、自然があるし、フィリピンでは、ただ自然をみるだけでしたが、今では、畑や農作業ををして、自分自身も自然の中にもう一歩入っていっている充実感があります。
今は5時におきて、エクササイズやストレッチをしています(笑) 妻に早起きすぎるねと言われています。(笑)
ー畑をはじめられたそうですが、どうですか?
畑は面白いです。お隣のおじさまが、本当によくして下さって、畑の場所を貸してくださり、つくり方から、水をあげるタイミングや追肥のタイミングなども、手取り足取り面倒をみてくださいました。
夏は、なす、トマト、キャベツ、じゃがいも、かぼちゃなどを作りました。
スーパーで買うのとは全然ちがって、とれたてはとても美味しいです。
おじさまが、「野菜は面倒を見た分だけ、収穫期に表れてくる」「面倒をみた人の想いがでてくるよ」と教えてくださいましたが
本当にその通りで、ほうれん草とにんじんはあまり出来なかったのですが、思いあたる節があります。
自分で頑張って作ったものを、とったその日に食べられるのは、最高です!
※営農組合のおじさまたちと、作業合間の休憩。若い人の「草刈り作業員募集中」です。
農作業を、はじめて体験してみてわかった、「大変さと、ありがたさ。」
ー地元の営農組合にはいられて、田んぼや、草刈り作業もやってみえるそうですが、どうですか?
本当に大変な作業です。
米作りがこんなに大変で、こんなに暑い中で仕事をされているんだ、おじさまたちはこんなに大変なことをしてみえるんだと、やってみてわかりました。
そして農業をするのはお金がかかるんだと知りました。
今までは、家で、お米作っている人は買わなくてもいいからいいな~などと思っていましたが、大変さ、そしてありがたさがわかりました。
その他にも、ここにきて、草刈りや田植え以外にも、田植え機にのったり、巻き割をしたり、地元のキャンプ場の清掃作業に行ったり、いままで経験したことないことをいろいろ経験しています。
朝起きて、外にでて、里山風景をみて「うわ~気持ちいい~」ってなる。それだけでうれしい。
飯地にきてからの、休日の過ごし方や、ご家族の雰囲気はどうですか?
飯地にきてからは、家族での地域との繋がりがとても濃いです。
移住してから、地域の行事にほとんど全部、家族で参加しています。土日が忙しい。(笑)
休日のどちらかは、町へ買い物へいきますが、野菜作りをはじめて、野菜を買わなくてもよくなったので、買い物でつかう金額は確実に減りました。
娘は、飯地こども園にはいって、新しい生活が始まって、今まで英語中心の生活だったので、こどばの心配もありましたが、楽しくいってくれているので、いいのかなと思っています。
妻も、近所づきあいなど、色々な人と触れ合う機会が多くなりました。今までは、それほど他人とコミュニケーションをはかることが少なかったんですが、こっちでは何回か顔をみたら声をかけてくれたり、話しかけてくれることはすごいです。良かったです。
自分自身としては、自分があいさつも絶対したいし、話したいとおもう方なので、それに対してコミュニケーションをとってくれる人が多いのがいいです。
家族全体としては、それほど何も変わらず過ごせているので、自然にとけこめているのかなとおもいます。
何よりも、朝起きて外にでて、外の風景をみて「気持ちいい~」って家族みんなでなるのが、それだけでうれしいです。
やはり外にでて、山や田んぼがみえるのは、電車がはしっていたりビルが建っていたりするのとは、違うのかなって思います。
まずは動いてみること、思い切ってやってみること。何かしら経験してみることがいいとおもいます。
現在から今後の夢は?
勤めていた塾の会社は離れましたが、現在今まで教えていた生徒に「教えてほしい」と頼まれ、ネットのスカイプで教えることもすこししています。
そして、やはり、子どもに教えることが好きなので、地元の子たちにも需要があれば、寺子屋的に勉強を教えられたらいいなと思っています。小学生から高校生の子たちに、勉強のわからないところだったり、勉強したいところなど、それぞれの子のニーズにあったことが教えられたらと思います。子どもたちや、大人の方に英会話なども。気軽に来てもらえる場にしたいです。
あとは、古民家を借りることができたので、日本に興味がある子や日本語を覚えたい子など、ここで外国からの子のホームステイを受け入れたり、農業の作業体験や、農泊もやってみたいです。
今後は、自分たちが、温かく迎えてもらったので、今度迎える側になったら、そういう人たちを温かく迎える存在になりたいと思います。
移住を考えている方へのメッセージは、まずは動いてみること、思い切ってやってみること、なにかしら経験してみるとよいとおもいます。
(取材日2019.6月/写真・文 平井はな恵)
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