【インタビュー】現代版「百姓?!」複業で働く人 墨祐哉さん

「現代版 ”百姓”=複業」ではたらく人
墨 祐哉(すみ ゆうき)さん

profile
・企業勤めの後、NPOを立ち上げるが、一年半で無一文になる
・ヒッチハイクで日本一周の後、恵那市にたどり着き、平成27年 飯地町へ移住
・空き家を借り、「空き家リフォーム塾」や友人の大工さんの力を借り、リフォーム
・平成29年、飯地町在住の女性と結婚。現在は一児の父


都市部から地方への「移住」を考えるとき、一番の心配材料が仕事という方は多いのではないでしょうか?

これからの暮らしへの楽しみもあるけど、収入面はちょっと心配。

サラリーマンをするのもいいけど、地方に仕事ってあるのかな。起業といってもニーズがあるのかな。

自分達の暮らしや家族との時間も大切にしながら働きたい。そんな地方での働き方のヒントが複業ではたらくこと。

いろんな事を組み合わせて暮らす、複業で働く人 墨くんからお話を伺いました。

 

~飯地に来る前のお仕事歴を教えてもらえますか?

大手企業の品質管理の仕事を5年、食品製造の仕事を3年と、計8年サラリーマン生活をしました。その後、仲間とNPOを立ち上げましたが、ちょっとしたトラブルもあり、1年半で無一文になってしまいました。

その後色々思うところもあり、ヒッチハイクで日本一周をしました。この時に経営者の方たちとも出会うことができ、経営哲学のようなことも教わりました。

 

 

 

~飯地に移住後はどんな働き方をしていますか?

移住当初は土岐にある引きこもり支援や就労支援を行うNPOで働いていました。地域の方々と顔なじみになってくると色々な方から仕事をやってみないかと声をかけてもらえるようになってきました。その一つが「いいじ里山バス」という地域のコミュニティバスのドライバーの仕事です。中学生やおじいちゃん、おばあちゃんをふもとのバス停や診療所まで送迎したりしています。

その他にも、間伐などの山仕事、イベントの設営、栗拾いや剪定、花のラッピング、大工さんのアシスタントなどいろんな人が仕事が紹介してくれるようになりました。僕がこのような仕事を受けて、引きこもりの人や、障がいのある人達にも紹介して一緒に働きに行ったりもしています。

現在では、土岐のNPOが3割、里山バスが1割、いろいろ複業が6割ぐらいの割合になっています。

 

 

~引きこもりの人や障がいのある人の就労支援にもなっているのですか?

僕が皆さんから声をかけていただく仕事を受けて、しょうがいのある人や引きこもりの人に紹介したり、一緒に働くことで社会の一部に触れてもらう訓練になったりします。彼らは時間がかかるけどゆっくりできる仕事や、シンプルな作業は得意だったりするのです。

依頼する方は、1年間ずっと仕事はないけれども、季節的にだったり、単発で手が足りなくなる企業もけっこうあり、そういう時に重宝されます。また、CSRになったり、行政へのPRポイントになったりもして、お互いにメリットが生まれます。

 

~それにしても色々な仕事をされていますが、どのようにして見つけるのですか?

僕は営業全然してないんです。だけど、人づてに紹介してもらったりして仕事がずっと続いているんです。先ほどのように、依頼する側にもメリットがあるし、そういう受け方をできる人が少ないからだと思います。

 

~今どんなことに力を入れていますか?

しょうがいのある人が使いやすいカバンを販売したいと思っています。世代やしょうがいに合わせたデザインを用意したり、半身に麻痺がある方が使いやすいカバンを作って販売したりしたいです。販売だけでなく、デザインや製作もしたいと思い、現在カバン製作の勉強をしています。

 

 

 

~どうしてこのような働き方を選んだのですか?

自分で仕事をするということは、だれも給料を保証してくれないので大変ではありますが、自分の努力次第で結果が出ますし、自分の考えがどのように社会に評価されるのかという社会実験にもなります。そして何より、時間が自分の自由になります。

 

~今後はどのような暮らしをしていきたいですか?

まずはカバンを軌道に載せたいです。そうすると家にいられる時間が長くなります。息子も生まれたし、家のことも仕事も子育ても奥さんと一緒にできる暮らしがしたいと思っています。

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