【インタビュー】山仕事ではたらく 岡田敏克さん

profile

・平成26年に名古屋市より奥様と飯地町へ移住

・現在のお仕事‥行政から委託の仕事&森づくりの仕事

・森づくりの仕事の内容‥森の間伐、薪の販売、森づくりの講演会・ワークショップの企画、森づくりのNPO団体の事務局

・恵那市内の森づくり活動団体‥「いいじ森の恵み活用塾」「中野方の水源の森づくり」「NPO 夕立山森林塾」


 

 

~「山のしごと」をはじめたきっかけは何ですか?

 

 

もともと恵那には、自分の食べるものは自分でつくりたいという、農業での自給自足の暮らしを思い、移住してきました。野菜やお米を自分たちが食べる分くらいは収穫できるようになり、飯地での暮らしが落ち着いたころ、「中野方の水源の森づくり」の活動に参加しました。

理由は、都会にいた頃にイメージしていた「豊かな森」のイメージと、現実の森との違いに、驚いたからです。現実の森は、ほとんどが、「植林の針葉樹中心の人工林」で、手入れされることもなく、人気のない、暗い森でした。何とかできないかとの思いで、森づくりの活動に参加しました。

それを機に、だんだん森のことに関わる活動が多くなってきて、気が付けば、秋冬はもっぱら木の仕事をするようになっていました。

最初は自分がチェンソーのような恐ろしいものを持って、山で木を切るなんて、思ってもみませんでした(笑)

始めは、地元のおじさんたちと一緒に見よう見まねではじめて、3回のチェンソー講座で切り方を習った後に、最初は家主さんに許可を頂き、自宅の裏の森の木を切らせてもらうことから始めました。

2月のが降り積もる中、ひとりで山の木を切っていたので、心配されたこともありました。また、知人の山の整備を行っているときに、盗伐と間違われて通報されそうになったことも(笑)

今では森づくりの仕事は、林野庁の交付金を頂き、団体の人たちと一緒に木の間伐を行ったり、森づくりの講演会やワークショップなども行っています。

 

 

~「山の間伐のしごと」はどうですか?

 

木を切る仕事は、力仕事だし、危険も伴うし、気を付けないといけないことも沢山あります。

けれど、人が手入れをしていなくて光の入らない暗くてごちゃごちゃした人工林が、手入れをすることによって、暗かった森にが入ってすっきり整備されると気持ちがいいです。

まさにしんどい部分とやりがいが正比例している感じです。

今では山仕事の仲間も増えてきました。

間伐についても、4シーズン目になり、だんだん経験を積む中で、成長の劣った木や曲がった癖のある木を切って、まっすぐな成長の良い木を残すなどの要領がわかってきました。最終的には市場にだして、お金になる木を残していく感じです。

山仕事は、きつい仕事ではあるけれど、自分の肉体を使ってする仕事は、名古屋でのサラリーマン時代では体験できないことで、すごく面白いです。

昔は細めの体型でしたが、体型が変わるくらい。農作業も、森の仕事も、自分の体全体を使ってやらないと出来ないので、体幹が鍛えられる感じです。

随分、丈夫になりました(笑)

 

 

~どんな人が「山しごと」に参加していますか?

 

 

移住者の人で山仕事をやってみたい人や、地元で定年退職後の自分の山がほったらかしだけど整備したい人、山仕事のプロの人や、森林ボランティアで実績のある人、そして、女性の参加も多くあります。
皆さん、森を手入れしたい、環境を良くしたいとの思いで一緒に汗を流してくれています。
女性の方でも、基本をしっかり身につければ、チェンソー作業もできますよ。女性の方のほうが、仕事が丁寧ですね。

 

~森づくりの講演会やワークショップの内容は?

 

 

日本は、現在ほとんどが杉やヒノキの人工林で、手付かずの山が多く、さらには杉やヒノキが売れないという、答えがないような状態にあります。だけど、このままで良いわけがないという思いで、森づくりに関する講師を呼んだり、講演会を企画しています。

森づくりの講演会は恵那市内でも数回行ったり、スイスのフォレスター(森づくりの専門家)を呼んで講演会を行ったりしましたが、皆さん熱心に耳を傾けてくれました。また、長野県で広葉樹の森づくりを行う作業家をお呼びしてワークショップもしました。

また、地元では子供向けに「森の色えんぴつ作り」のワークショップを飯地町で行いました。子どもから大人まで40人近くの参加がありました。まず森に入って、自分たちで色えんぴつに出来そうな太さの枝を探してのこぎりで切ります。手動のドリルであけた穴にクーピーの芯をいれて、木馬のような形の台に乗って、枝を色えんぴつの形に削ります。
木を削る感触が楽しいし、気持ち良いので、色鉛筆の芯がなくなって枝だけになっても、子どもたちは夢中でずっと削っていました子どもは素直だから、感覚の面白さや楽しさがわかると永遠にやり続けます。

 

 

~飯地町での暮らしはどうですか?

 

自分のやりたいことをやっているから、ストレスがないのが一番いいです。

都会にいて店や付き合いがあれば買うしお金も使ってしまうけど、飯地にいれば、店もないので、余計なお金をつかうことはありません。余計なものは買えないし、買わないし、お米も野菜も食べていける範囲で自給できているので、何の問題もなく暮らしています。

薪を割って、薪置き場を片付けながら、焚火をして、お湯を沸かして、インスタンコーヒーを飲む時間は至福のときです。

現金に頼らないで、お金をつかわないで楽しく一日過ごすのがモットー(笑)

今の暮らしは、会社勤めの頃は思いもしなかった生活。予想外な山仕事なども始めることになって面白いし、自分でもびっくりしています。

 

 

 

~今後やってみたいことはありますか?

(敏克さん自作の椅子!飯地高原テント村に置いてあります)

 

そうはいいながらも、稼ぎは必要だと思っています。ですので、飯地で、飯地にあるものを生かして、現金が巡るような「なりわい」=生業づくりの提案ができたらと思っています。

今後、子育てで手が離れてくるようなお母さんたちや、定年退職後の人や、高齢のお年寄りの人などが、年金にプラスアルファで少しゆとりができるような、少しお金を稼げるようなしくみづくりです。

「飯地高原テント村」もリニューアルするので、それにからんでいったり、山形県鶴岡市の「なりわいプロジェクト」を参考にしながら、飯地でも同じようなことができればいいと思っています。

 

 

 

~さいごに、森の中では何を考えて作業していますか?

 

 

作業しているときは、木を正確に倒すことや、仲間と自分の周りの安全確保で精一杯で、それ以外の事を考えるゆとりはないです。

ただ、作業の合間の休憩時間に、ほっと一息ついた時など、雪が降った日の足元はしもやけになるくらい冷たいんだけれど、

森の中はしんと静かで清々しく、森の中で冬の日を迎えると、あらわれるような感じがする。

冬の日のほうが、清らかな感じ。

体はしんどいけれど、そういう瞬間は、街にいたら味わえない贅沢な時です。

「木こりの特権」ですね。自然に向き合う仕事の醍醐味です。

 

~ありがとうございました!

 

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